初めての銀行融資
会社設立資金の融資について
会社設立にあたっては、充分な資金が準備できていればベストですが、たいていの場合は、必要資金の調達を必要とするかと思います。これから設立を考える方が利用されるのが融資と助成金です。
新規事業者向けの融資にも対応している銀行がないとはいえませんが、やはり民間金融機関からの融資は相当にハードルが高いといえます。
会社設立時の資金調達として最も現実的で使い勝手がいいのが、『日本政策金融公庫』(旧・国民金融公庫)の融資制度でしょう。事業計画書の退出書類等に不備がない限りは、融資してもらえる確率が高い調達手段です。
日本政策金融公庫の『新規開業資金』
●メリット
①金利がとにかく安く、しかも固定
銀行など民間の金融機関では、よほど信用力の高い会社でもない限り、これより安い金利で借りられることはまずありません。また、将来の金利負担が大きくなる心配がなく、資金繰りも安定します。
②長期で融資してくれる
普通貸付である運転資金を、最長5年間貸してくれます。民間金融機関のように、業績が悪化したことにより、全額返納を求められることもありません。
③新規開業者に優しい
新規開業者のための融資制度ですので、実績のない会社でも融資してくれます。設立直後の資金繰りに配慮した(6ヵ月以内(特に必要な場合は1年以内)元金返済の猶予措置を受けることもできます。自己資金の要件などを満たせば、無担保・保証人不要での借入れも可能です。
●融資を受けるポイント
比較的借りやすい金融機関とは言っても、あくまでも「民間の金融機関に比べたら」という話です。おさえるべきポイントを理解しておきましょう。
日本政策金融公庫からの融資において、最も重視されるポイントが「自己資金」です。可能な限り、自己資金によって開業しようという姿勢が審査の際に評価されるのです。自己資金が全くない状態で融資を申請することは非常に不利であるといえます。(無担保無保証の「新創業融資制度」を利用する場合、最低でも総事業費の3分の1は自己資金を用意する必要があります。)
そのほか、提出する「事業計画書」を作成します。ビジネスについてのビジョンや展望、事業への熱意、具体的な収支計画や借り入れの返済計画などについて、どれだけきちんと考えているか落とし込む必要があります。書類では完璧に記載することは難しくても、その後の「面談」の際に明確に答えられるように、事業計画書をしっかりと作ることは、単なる申請手続きにとどまらず、今後の事業を成功させるうえでも大切な作業といえるでしょう。
日本政策金融公庫ではほかに、女性、若者/シニア起業家資金(女性または30歳未満か55歳以上の方) 再チャレンジ支援融資(廃業歴等のある方)、新創業融資制度などがあります。
信用保証協会の融資について
銀行の窓口で新規事業者向けの融資について相談してみると、まず銀行本体での直接融資は断られることが多く、代わりに、融資担当者は自治体が運営している「信用保証協会」融資を提案してくるケースが多く見られます。
この保証協会融資とは、お金の出し手は銀行などの金融機関なのですが、その間にこの協会が入り、借り手である新規事業者の金融機関に対する債務を保証するという仕組みの融資です。 つまり、リスクに応じた保証料をとって借り手の「保証人」になるというシステムです。
このシステムは創業時に限らず、中小企業の一般的な資金調達方法のひとつとしてよく使われています。